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昨日の「NHKスペシャル」、『病の起源 第1集 睡眠時無呼吸症~石器が生んだ病~』を見た。
睡眠時無呼吸症が有名になったのは、JR西日本の新幹線運転士の居眠り事故だったと思う。
睡眠時無呼吸症は、寝ている間に舌の筋肉がゆるんで気道に落ち込み、空気の通り道を完全にふさぐために起きる病だとわかっている。そしてその弊害は、日中眠くなるだけではない。なんと心臓病や脳卒中などの合併症を引き起こす可能性が、極めて高いのだそうだ。
そのメカニズムはこうだ。
番組では、無呼吸症は誰もがかかる病気ではなく、なりやすいタイプがあるという。肥満の人がなりやすいというのは知っていたが、『アゴが小さい人』も気をつけなければいけないらしい。舌のおさまるスペースが小さく、もともと気道が狭いためふさがりやすいのだそうだ。
そもそもなぜ人類のアゴはチンパンジーなどに比べて奥に引っ込み小さくなってしまったのか。それは250万年前に人類の祖先”アウストラロピテクス・ガルヒ”が石器を使い始めたことに起因すると言われているそうだ。それまでの、硬い草の根や木の実を噛み砕いて食べるといった食生活をやめ、やわらかい動物の肉を食べ始めるようになった人類。アゴの力を最大限使う必要がなくなったため、この時期を境に人類のアゴが小さくなりはじめたという。
言うなれば、石器こそが、睡眠時無呼吸症をもたらした『病の起源』だったのだ。
そして驚くことに、今、子供の無呼吸症が次々と見つかっているという。なんと生後6ヶ月で睡眠時無呼吸症と診断された子もいる。この原因は、肥満などではない。とにかく小さなアゴのせいだ。
アメリカでは小さいアゴを矯正によって広げる新しい試みも始まっているそうだ。睡眠時無呼吸症の子供の上あごと下あごに器具を装着し、少しずつ広げていく。子供の成長期は骨が柔らかく広がりやすいため、治療に適しているという。見ていたら歯列矯正のようだなと思った。
私も歯並びが悪くて、歯の矯正のために親知らずも含めて6本の歯を抜いた。そういえば親知らずが退化したのも、人類のアゴが小さくなって、生えてくるスペースがなくなったからだと聞いたことがある。
東京大学の原島教授が、大阪のある高校の50年前と最近の卒業アルバムを使い、CGで50年前の平均顔と最近の平均顔を作って比較し、その変化傾向を延長したものがある。50年前の高校生の、なんと男らしいこと!それに比べて、100年後の高校生の顔はヒョロっとして生気がない。髪型まで変化を延長させているので大変なことになっているが、とにかく気持ち悪い。まるで宇宙人のようだ。
本当に将来はこんな顔になってしまうのだろうか。むしろ、この傾向がもっと加速して進みそうな怖さもある。
変わる高校生の平均顔(画像提供・東京大学工学部原島研究室)
50年前の高校生と最近の高校生の平均顔の違いから、未来の高校生の顔を予測した(未来顔2号)。
国立科学博物館『大顔展』より
睡眠時無呼吸症が有名になったのは、JR西日本の新幹線運転士の居眠り事故だったと思う。
10秒以上の呼吸停止が1時間当たり5回以上あると、無呼吸症と診断される。無呼吸症の疑いのある人は、500万人から1000万人もいると言われているそうだ。2003年2月26日、山陽新幹線「ひかり号」が、岡山駅の通常停止位置より100メートル手前で列車自動制御装置(ATC)によって自動停車した。この時、運転士はドアを叩かれても起きないほど熟睡していたという。その後の運転士の話から、熟睡状態のまま、約8分間、時速270kmで走行していたことがわかった。
事故当初は、運転士の気の緩み、あるいは飲酒による居眠り運転として世間の怒りを買ったが、その後の調査で運転士が睡眠時無呼吸症候群であったことが確認された。
(快眠推進倶楽部より)
睡眠時無呼吸症は、寝ている間に舌の筋肉がゆるんで気道に落ち込み、空気の通り道を完全にふさぐために起きる病だとわかっている。そしてその弊害は、日中眠くなるだけではない。なんと心臓病や脳卒中などの合併症を引き起こす可能性が、極めて高いのだそうだ。
そのメカニズムはこうだ。
たかが、睡眠障害の1つとあなどるなかれ。こんな危険な弊害があるとは、まったく知らなかった。睡眠中に呼吸が止まる。
→体は酸欠状態に陥る。
→心臓が全身に酸素を送ろうと、スポーツをしている時のように心拍数が激しく変動。
→これが長年続くと心臓は負担に耐えられなくなり、心房細動(不整脈)がおきる。
→血液がスムーズに流れず、血の塊(血栓)ができやすくなる。
血栓が心臓の冠動脈につまると心筋梗塞
血栓が脳の血管につまると脳卒中
番組では、無呼吸症は誰もがかかる病気ではなく、なりやすいタイプがあるという。肥満の人がなりやすいというのは知っていたが、『アゴが小さい人』も気をつけなければいけないらしい。舌のおさまるスペースが小さく、もともと気道が狭いためふさがりやすいのだそうだ。
そもそもなぜ人類のアゴはチンパンジーなどに比べて奥に引っ込み小さくなってしまったのか。それは250万年前に人類の祖先”アウストラロピテクス・ガルヒ”が石器を使い始めたことに起因すると言われているそうだ。それまでの、硬い草の根や木の実を噛み砕いて食べるといった食生活をやめ、やわらかい動物の肉を食べ始めるようになった人類。アゴの力を最大限使う必要がなくなったため、この時期を境に人類のアゴが小さくなりはじめたという。
言うなれば、石器こそが、睡眠時無呼吸症をもたらした『病の起源』だったのだ。
そして驚くことに、今、子供の無呼吸症が次々と見つかっているという。なんと生後6ヶ月で睡眠時無呼吸症と診断された子もいる。この原因は、肥満などではない。とにかく小さなアゴのせいだ。
アメリカでは小さいアゴを矯正によって広げる新しい試みも始まっているそうだ。睡眠時無呼吸症の子供の上あごと下あごに器具を装着し、少しずつ広げていく。子供の成長期は骨が柔らかく広がりやすいため、治療に適しているという。見ていたら歯列矯正のようだなと思った。
私も歯並びが悪くて、歯の矯正のために親知らずも含めて6本の歯を抜いた。そういえば親知らずが退化したのも、人類のアゴが小さくなって、生えてくるスペースがなくなったからだと聞いたことがある。
東京大学の原島教授が、大阪のある高校の50年前と最近の卒業アルバムを使い、CGで50年前の平均顔と最近の平均顔を作って比較し、その変化傾向を延長したものがある。50年前の高校生の、なんと男らしいこと!それに比べて、100年後の高校生の顔はヒョロっとして生気がない。髪型まで変化を延長させているので大変なことになっているが、とにかく気持ち悪い。まるで宇宙人のようだ。
本当に将来はこんな顔になってしまうのだろうか。むしろ、この傾向がもっと加速して進みそうな怖さもある。
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50年前の高校生と最近の高校生の平均顔の違いから、未来の高校生の顔を予測した(未来顔2号)。
国立科学博物館『大顔展』より
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