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異人たちとの夏
2008.05.07 Wed 07:46 | ネット依存症 | 心と身体
 最近、昔テレビで見たある映画を思い出す。

 『異人たちとの夏』という映画だ。(ネタバレありです↓↓)

 原田英雄(風間杜夫)は40歳のシナリオ・ライター。妻子と別れ、今はマンションに一人暮らしをしていた。

 ある日、原田は幼い頃に住んでいた浅草に出かけ、偶然、死んだはずの両親に会ってしまう。二人は原田が12歳の時に交通事故で死亡したが、なぜかその時の年齢のまま、浅草に住んでいた。原田は懐かしさのあまり、浅草の両親の家へたびたび通うようになる。

 一方で、原田は同じマンションに住む桂(名取裕子)という女性と、愛し合うようになっていた。彼女は、もう両親には会うなという。異人(幽霊)と近づくと、それだけ自分の体は衰弱し、死に近づくのだ。

 原田はようやく両親と別れる決心をし、浅草にあるすき焼き屋で親子水いらず別れの宴を開いた。暖かい両親の愛情に接し、原田が涙ながらに別れを告げると、二人の姿は消えていった。しかし、原田の衰弱は止まらない。実は、桂も異人だったのだ。男にふられ原田にもすげなくされた桂は、ずっと以前に自殺していたのだった。

 愛と憎しみに狂った異人は原田に迫ったが、友人・間宮の機転で原田は助けられた。その後、体調の回復した原田は両親のもとに花と線香を手向け、静かな夏の日の不思議な体験を回想するのだった。

goo映画 あらすじより)

派手な特撮こそないが、どんでん返しなストーリーと、風間杜夫さんの衰弱しきった姿に、当時元気だった私はショックを受けたのを覚えている。

 だが最近、自分のネット依存状態は、この原田英雄の状態に近いのではないかと思うようになっている。
 今の私のネト友たちは、優しすぎて精神バランスを崩してしまっているような人達が多い。みなが現実の世界から逃避して、子供のような純粋な気持ちで、それぞれがお互いをいたわりあって過ごせる場所。たしかに、癒されるし懐かしいしホッとできる。ずっとそこにいたい。姿は見えないし、触ることもできないけれども、それでもいい。

 けれどもそうすると、現実の自分の体が本当にどうでもよくなってくる。たぶん現実の私は、かなり栄養状態も悪く、運動不足で、目の下のクマがひどい。健康な人からみたら、まったくもって『不健康な生活』をしているのだと思う。こっちに帰って来い!とばかりに、母などは私がネットをしすぎないようにたまに怒る。

 果たして、どちらが幸せなのだろうかと思う。現実の時間を、多くの人と同じように”健康的”に長く生きる事が、そんなに幸せなことなのだろうかと思う。私は今、異人たちとの交流のほうが、私にとっては豊かな人生なのではないかとすら思っている。

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