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ナルシスト
 思えば私は小さい頃から、本当に一人が好きだった。

 自分から友達の家へ「あそぼー!」と誘いに行ったことがない。勉強をするのも一人。買い物をするのも一人。仕事をするのも一人。何事も、一人でやったほうが効率がいいからそうなった。
 もし必要に迫られたり、強く誘われたりして、誰かと一緒に行動をしなければならない場合には、それは”人付き合い”だと割り切っていた。私はそういう時だけ、自分の目的のために”努力”することを休んでいた。必死に頑張っている姿なんて他人には見せたくないから、友人と一緒の時間にはいつもふざけていた。

 だからそんな私に、本当の”親友”がいたのかは、甚だ疑問だ。自分から誘うこともしない。自分がやりたい事も言わない。ただ話が面白いとか、そんな事だけで遊んでくれた友人たちも、生活環境が変わるたびに、こちらから連絡をとらない私の事など忘れてしまうのが常だった。

 それでも寂しくなかったのは、私には家族がいたから。過干渉とも言える母親が必死に”家庭”を築いて守っていたから。私には巣があったから。その庇護の下で守られて、他の人間関係が希薄でも生きていけるだけの世話を焼いてくれていたからだろう。

 独立して、いい年になった今でも、私の”一人好き”は治らない。よほど強く私の事を誘ってくれる人でもいないかぎり、私が誰か他人と行動を共にすることはないだろう。

 そして家を出てしまった今となっては、彼と住むこの家が私の巣。
 母からのランチの誘いでさえ、「それってどうしても行かなくちゃいけないの?」と悩む。おいしいものをごちそうすると言われても、食べ物には困っていないし、だとすると何のために家を出なければいけないのかがわからない。なぜ母が、身銭を削ってまで、私を一生懸命に誘うのかもわからない。

 たぶんネットでの人間関係もそうなのだと思う。私は自分に居場所や役目がないと悟ると、一人になりたがる生き物なのだ。そしてひとたび一人になってしまったら、呼ばれない限り巣から出て行くことはない。『ご自由にご参加ください』なんて言われても、たぶん絶対に参加しないであろう。

 ある意味、私は強烈に病的なナルシストなのかもしれない。

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