| Home |
夕食の支度をしようと、米びつからお米を取り出していたら、パラパラと少しお米粒をこぼしてしまった。キッチンの床が汚かったので、私はこぼれたお米粒は拾わずに、とりあえず夕食の支度を続けた。
支度が一段落してから、背中を丸めて床にこぼれたお米粒を拾っていたら、時代劇や戦前が舞台の映画やドラマでこんな場面があったなあと思い出した。道にこぼれたお米粒を一生懸命に拾って怒られる人々。そんな時代が、100年以内の日本に確かにあったのだ。そしていまでも、食料に恵まれない国の人々は同様の事をやっているだろう。
私は集めたお米粒を数えてみた。100粒ほどあった。かといって、何となく今さら米びつに戻す気は起こらなかった。ベランダに撒いてスズメにでも食べてもらおうかと思ったが、それで鳥が集まってきたり、フン害を招いたら面倒だなと思ってやめた。
結局、拾い集めたお米粒は捨ててしまった。
将来、この100粒のお米粒のことを思い出して泣く時が来なければいいが。そんな事を考えながら、心の中でそっと手を合わせて捨てた。
支度が一段落してから、背中を丸めて床にこぼれたお米粒を拾っていたら、時代劇や戦前が舞台の映画やドラマでこんな場面があったなあと思い出した。道にこぼれたお米粒を一生懸命に拾って怒られる人々。そんな時代が、100年以内の日本に確かにあったのだ。そしていまでも、食料に恵まれない国の人々は同様の事をやっているだろう。
私は集めたお米粒を数えてみた。100粒ほどあった。かといって、何となく今さら米びつに戻す気は起こらなかった。ベランダに撒いてスズメにでも食べてもらおうかと思ったが、それで鳥が集まってきたり、フン害を招いたら面倒だなと思ってやめた。
結局、拾い集めたお米粒は捨ててしまった。
将来、この100粒のお米粒のことを思い出して泣く時が来なければいいが。そんな事を考えながら、心の中でそっと手を合わせて捨てた。
| Home |