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深夜に放送していた「テレメンタリー」という番組を録画して見た。『蜘蛛の糸~どん底を見た倒産社長の自殺防止策』という、秋田朝日放送のドキュメンタリーだった。
いまや年間3万人が自殺する”自殺大国ニッポン”において、秋田県は13年連続で自殺率日本一だそうだ。人口10万人あたりの自殺率を見ると秋田県は37.5人。全国平均の24.4人に対して抜きん出て高いという。
東京商工リサーチ顧問の荒谷氏によれば、秋田県は年間1万人ぐらいの人口が減少するなど、人口減少率が全国1位で、経営環境が厳しいがために企業倒産が多く、それによって企業の経営者が自殺してしまうケースが多いそうだ。
けれども、全国的には自殺者数が増えているのに比べて、秋田県ではこの5年間での自殺者が30%も減っているそうだ。その陰には、日本で唯一の自営業者の自殺防止のNPO法人「蜘蛛の糸」の活動があると言われている。「蜘蛛の糸」の理事長である佐藤久男さんは(64)は、企業の経営者が倒産から自殺へと至る心理が痛いほどよくわかるという。それは、佐藤さん自身が過去に同じ経験をしているからだった。
実は佐藤さんも、4つの会社を経営していた経営者だった。しかし、バブルがはじけて数年経ってから歯車が狂いだし、2000年10月に会社が倒産。社長時代とはまるで異なる境遇となり、スーパーの地下に行って試食品を食べ歩くような生活になってしまったそうだ。当時を振り返って、佐藤さんは話す。
ここからが、佐藤さんのすごいところだ。
全国で唯一”自殺予防学”という研究コースを持つ、秋田大学医学部の医学部長である本橋豊先生は、佐藤さんたちの活動を次のように分析されていた。
番組のエンディングで、佐藤さんが強い口調で言っておられた言葉が印象的だった。
佐藤さんには頭が下がる。ご自身も苦しい立場であろうに、他の人のために奔走していらっしゃる姿には本当に感服した。やはり人間、生きていく上で最もつらいのは”孤独”なのだと改めて思う。そしてその”孤独”に気づいて手を差し伸べる事ができる人は、このギスギスした世の中には救世主として必要不可欠な存在だ。私はいつか佐藤さんのようになれるだろうか。なりたいと思った。
いまや年間3万人が自殺する”自殺大国ニッポン”において、秋田県は13年連続で自殺率日本一だそうだ。人口10万人あたりの自殺率を見ると秋田県は37.5人。全国平均の24.4人に対して抜きん出て高いという。
東京商工リサーチ顧問の荒谷氏によれば、秋田県は年間1万人ぐらいの人口が減少するなど、人口減少率が全国1位で、経営環境が厳しいがために企業倒産が多く、それによって企業の経営者が自殺してしまうケースが多いそうだ。
けれども、全国的には自殺者数が増えているのに比べて、秋田県ではこの5年間での自殺者が30%も減っているそうだ。その陰には、日本で唯一の自営業者の自殺防止のNPO法人「蜘蛛の糸」の活動があると言われている。「蜘蛛の糸」の理事長である佐藤久男さんは(64)は、企業の経営者が倒産から自殺へと至る心理が痛いほどよくわかるという。それは、佐藤さん自身が過去に同じ経験をしているからだった。
実は佐藤さんも、4つの会社を経営していた経営者だった。しかし、バブルがはじけて数年経ってから歯車が狂いだし、2000年10月に会社が倒産。社長時代とはまるで異なる境遇となり、スーパーの地下に行って試食品を食べ歩くような生活になってしまったそうだ。当時を振り返って、佐藤さんは話す。
それから、ストレスで躁うつ病になってしまった佐藤さんに追い討ちをかけたのが、親しい知人の自殺だったという。それまでにも、ライオンズクラブ(地域社会のボランティア団体)の仲間である社長たちが3人自殺していた。佐藤さん自身にも、死んでいく人間の気持ちが頭の中をよぎっていた。自分が首を吊って死んでいる幻覚も見た。そんなときに友人が自殺したのだそうだ。貧乏だとは思わない。生きなければならないと思った。ただそのとき、昔から知っている社長に見られた。やっぱり恥ずかしかったですねぇ。
ここからが、佐藤さんのすごいところだ。
そして佐藤さんは、NPO法人「蜘蛛の糸」を立ち上げたのだった。憤りがわいてきた。誰かが立ち上がらないとどんどん死ぬ。義憤のようなものを感じた。仇討ちだと思っている。私の大事な友人を殺しやがって!
全国で唯一”自殺予防学”という研究コースを持つ、秋田大学医学部の医学部長である本橋豊先生は、佐藤さんたちの活動を次のように分析されていた。
実際に、倒産と病気で自殺を考えたという相談者のNさん(70)は言う。実際の自殺対策の現場に出てみると、経営者の自殺、多重債務、貧困など、いろいろ社会的な問題があって、どういう悩みを抱えているかという事に自分の経験を踏まえて対応できる方って、そんなにおられない。秋田県では、昨年自殺者の数が76人減っているが、そのうちの多くの部分は、おそらく佐藤さんが行われてきた実際の相談活動によって防ぐことができたと思っています。
前出の荒谷氏も言う。俺みたいな貧乏神と疫病神と死神の三つの神様に取り付かれた男なんか、世間で相手にする人間なんて、親子でも親戚でも(いなくて)、佐藤さんだけだ。俺みたいな奴を、常に真剣に相談に乗ってくれたのは。それだけが俺にとっては、本当に救われたと思っている。
自殺する人っていうのは、一人でモンモンとしながら一人で決断して死んじゃうんです。家族も気がつかないといったような状況なんです。そこで相談相手ですよね、まず。悩みっていうのは話すことで半分ぐらいは解消されちゃうわけですよ。
番組のエンディングで、佐藤さんが強い口調で言っておられた言葉が印象的だった。
他の人が同じセリフを言っても、これほどまでに心に響かなかっただろうと思うほど、私の目からは涙が出てきた。私がいつも『だって死にたいもんはしょうがない。』などと思っていたことが、やはり何か原因があってのおかしな思考なのだと、素直に思えるような気がした。画面を通しても、この人の温かさが伝わってきた。死にたい人はいないってことさ!人間で死にたい人はいないって。死ななければならない原因がそこにあるから。原因を取り除くと人間は死なないんだもの!
佐藤さんには頭が下がる。ご自身も苦しい立場であろうに、他の人のために奔走していらっしゃる姿には本当に感服した。やはり人間、生きていく上で最もつらいのは”孤独”なのだと改めて思う。そしてその”孤独”に気づいて手を差し伸べる事ができる人は、このギスギスした世の中には救世主として必要不可欠な存在だ。私はいつか佐藤さんのようになれるだろうか。なりたいと思った。
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