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髪の毛が焦げました
2008.07.11 Fri 22:18 | 日記 | 日記
 精神のコントロールをアロマテラピーに頼っていた時期もあって、私は今でも時々”アロマポット”で香りを楽しんだりしている。アロマポットとは、ポットの部分に水を入れその中にエッセンシャルオイルを数滴たらして、下からロウソクの火で熱していくことで、オイルの香りを楽しむという方法である。

 今日の夕方も、すぐれない気分をなんとかすっきりさせたくて、私はペパーミントをたいていた。ペパーミントは、脳に刺激を与えて集中力を高め、眠気を覚ますといわれている。
 しばらく香りを楽しんでいた私だったが、そのうちアロマのことはすっかり忘れてしまった。自分でも無意識だったのだが、座っているのがだるくなってきたのか、椅子の背にもたれかかってずるずると姿勢を下にくずしていったらしい。すると”チリチリ・・・”という音がして、次に焦げ臭いにおいがしてきたではないか。チリチリ?
 私は、背中側のカウンターテーブルに、アロマポットを置いていたことをすっかり忘れてしまっていたのだ。そう、おだんごに結った髪の毛の一部が焦げてしまっていた。慌てて飛び起きたので、髪の毛が焼けるようなことはなかったが、少しびっくりして、おかげで脳にたくさんの刺激が入ってきた。

 アロマポットは簡単で使いやすいのだが、火を使うので、すぐ寝てしまったり忘れてしまったりする私のような者には、少々危険な道具なのかもしれない。ろうそくの代わりに電球を使う”アロマランプ”の導入を考えたほうがよさそうだ。

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いのちの約束
2008.07.11 Fri 09:13 | ドキュメンタリー | テレビ・ラジオ
 深夜にやっていた「にっぽんの現場」という番組の再放送を、録画して見た。『いのちの約束 ~北大病院・澤村先生と子どもたち~』という内容だった。

 北海道大学病院の澤村豊先生(54)は、子供の脳にできるガンである”小児脳腫瘍”の手術を、日本でもっとも多く行ってきた脳外科医である。

 澤村先生は、どんなに幼い子どもでも直接インフォームドコンセントをして、病状や手術方法などを丁寧に説明する。子どもが生きる力を取り戻すために病気を受け入れ、闘う覚悟を持つことが必要だからだ。「生きることを決してあきらめない」という‘命の約束’ が交わされる診察室。
(番組ホームページより)


 子どもの腫瘍は大人のそれと違って、より一層その子がこれから送るであろう長い人生を考えながら、治療法を考えてあげなければいけないそうだ。澤村先生は、いつも手術の直前まで、ともすると手術中に腫瘍を自分の目で確かめるまで、ひとり悩み続けている。『腫瘍を摘出すれば、障害が残るかもしれない。しかし、摘出しなければ命が危ない。』
 澤村先生は、この選択について真剣な眼差しで語る。

 どちらかを選べるかというときもあるんですけどね。よーく考えればこちらのほうがおそらく正しいだろうと。だけども、どちらも全く選択できないこともあるんですよ。だからどちらも正しいし、どちらを選んでも後悔してはいけないということですね。

最後は自分に言い聞かせるように、一瞬苦しそうな表情を見せた。これまでも幾度となく正解のない選択を迫られ、これからもずっとその道を歩んでいかれるのであろう。自分の人生の選択も満足にできない私にとって、本当に尊敬すべき先生だと思った。

 途中で、先生の表情がとても和らいだ瞬間があった。それは、子どもならではのすばらしい特長について語ったときだ。

 子供たちが生命そのものと戦っているときの表情とか顔とか言動ってねぇ、きれいですよね。きれいな子が多いですよ。生命をまっすぐ見てるときの顔って言うのは、ほんとにきれいですよね。尊敬する態度にも時々出会います。私たちよりもよっぽど立派っていう子供をね。

私はハッとした。生命をまっすぐ見る。邪心なく見る。社会で汚れきった大人、いろいろ余計なことを計算して考える大人には決して真似できない態度なのかもしれない。
 本来は命と比べるものなんて何もないはずなのに、なぜ私たち大人は、人間関係とか社会性とか金銭問題とかゴチャゴチャしたものを、命と同列に並べてしまうのだろうか。
 先生の言葉を通して、私も子どもたちの”きれいな顔”や”尊敬する態度”を想像できるような気がしてきた。学ぶべきだと思った。

どう接したらよいか
 先日行った病院に置いてあった『うつのこと、もっとわかってほしいから』という冊子に、うつ病患者にどう接したらよいかがとてもよく書かれていたので、メモしておく。

 うつ病治療にかかせないのが、まわりの理解とサポートです。うつ病は、気の持ちようから来るのではなく、病気であることを患者さんとともにまず理解しましょう。また家事などの日常生活上の負担をへらしてあげるように努めてください。

<会話の一例>
【よくない会話】 「夕食はなにがいい?」 ─ 「何でもいいよ」
【よい会話】「夕食はなにがいい?」 ─ 「カレーがいい」
このように、何がいいかはっきり答えてあげることで、負担を減らしてあげましょう。

この具体的な例は、とてもわかりやすいと思った。
 「あなたの好きにしたらいい」というのは、一見とても自由で親切な返事のように聞こえるが、うつ病患者は集中したり決断したりするのがとにかく苦手で、それが思うようにできない事でイライラしたり自分を責めたりしてしまうのである。少なくとも、私はそうである。「何でもいいから早く決めて」などと言われようものなら、とても頭が混乱してパニックになって泣きながら逃げ出してしまうかもしれない。
 日々の”負担なことベスト3”に入っていそうな”夕食”のメニューも、こんな風に誰かに決めてもらえればとても楽だろうなと思った。本当に些細な事だが、とてもうれしい心配りだと思った。

Q.周囲の人にできることはありますか?
A.患者さんを怠け者扱いすることはもちろんですが、同情したり、励ますつもりで「がんばって」というのも、かえってストレスになることがあるので避けるべきです。また、気分転換になるからと無理に運動や旅行に誘い出すことも避けましょう。
 逆に、まったく声をかけないのもよくありません。本人が構われるのを嫌がる様子をみせても、内心では、誰かが声をかけてくれるのを待っている場合が多いのです。(略)

「がんばって」や「気分転換」が禁句である事は、うつ病に詳しい人の間では常識だと思うが、世間一般には意外とまだまだ浸透していないようだ。未だに私の母なども「外に出て気分転換でもしないと、余計に頭がにぶるわよ~」などと言って、外出の誘いをかけてくる。
 ただこの辺も難しいところで、家でゴロゴロしている五体満足の大人が、ただの怠け者なのか病気なのか、叱咤激励したほうがいいのか温かく受けとめたほうがいいのか、誰が判断すればいいのだろう。あまりにも長引くうつ病に、私は自分が”うつ病の皮をかぶったただの怠け者”なのではないかと、本当に思うようになっている今日この頃であるが、夫は言う。『そうやって自分を責めるのがうつ病なんじゃないの?』 先生は言う。『昔はそんな性格じゃなかったんでしょ?』 だが聞かれてもわからない。冷静な判断ができないし、正確な記憶もない。困ったものだ。

 それにしてもこのクダリにはまいった。

内心では、誰かが声をかけてくれるのを待っている場合が多いのです。

そのとおりだと思う。自分でも最近まで気づいていなかったが、人との接触がなにより嫌いなくせに、本当は誰かに声をかけてもらいたい。忘れないでいることを教えてほしい。”私”という存在に自信を持たせてほしいのだ。
 ちょうど昨日、学生時代の友人から半年ぶりにメールがきた。幸せな近況を聞くのが辛いし返事を書くのも負担なので、『メールなんでくれなければいいのに・・・』と思ったのも確かだが、どこかで少し喜んでいる私がいた。



『うつのこと、もっとわかってほしいから』 ※精神科、診療内科などに置いてあります。
提供:グラクソ・スミスクライン株式会社
監修:北里大学名誉教授 ゆたかクリニック名誉院長 村崎光邦先生