fc2ブログ
涙のスイッチ
2008.07.13 Sun 00:05 | | 心と身体
 「解体新ショー」で、『大泣きすると涙が止まらなくなるのはなぜ?』という謎を解き明かしていた。
 私は、病気の特徴でもあるのだろうが、いい年をしてしばしば涙を流す。一度泣き出すととまらなくなり、号泣が嗚咽になり、過呼吸になることさえある。泣くのはいいことなのか、悪いことなのかも含めて、非常に興味深い内容の番組だった。

 東邦大学の有田秀穂教授(統合生理学)の研究によれば、悲しい映画を見せたときの被験者の脳では、額の下あたり、大脳のある部分の血流量が、急激に増えることがわかったという。有田先生によれば、ここが”涙のスイッチ”なのだそうだ。
 普段、涙の量は脳幹によって自動的にコントロールされている。例えば目が埃が入った場合、脳幹からの指令で一時的に大量の涙が流れるが、埃が除去されれば涙は止まる。ところが大脳にある”涙のスイッチ”が入ると、強い刺激が脳幹に送られ、普段おこなっている涙のコントロールが利かなくなるのだそうだ。しかも感情が高ぶっている間は、大脳からの刺激が途切れることがない。いったん涙のスイッチが入ると涙が止まらなくなるのは、このためだ。ちなみに感情によって涙を流すのは、動物の中でも人間だけらしい。

 次に、泣く前と後で、脳ではどのような変化が起きているかを、有田先生が見せてくださった。被験者に脳波計を取り付けてみると、泣く前よりも泣いた後のほうが、α波の量が増えていることがわかった。α波は、リラックスしているときに多く出る脳波といわれている。

 有田先生は言う。

 大脳はいろいろな情報を処理して、疲れているっていうか緊張しているわけですけれども、いったん涙のスイッチが入るとその緊張が緩和される。リラックスするんですね。非常にいい。
 普通は一晩寝ればリラックスすると言われていますけれど、涙の場合はほんの数分、まあ十分ぐらい本当に号泣できると、一晩寝たり一週間ぐらいのストレス緩和ができる。

ある意味で”涙のスイッチ”とは、緊張感やストレスがあるときに、非常的に作動するものでもあるそうなのだ。なるほど、私がパニックに陥って、嗚咽がとまらなくなるのは、大脳を休ませようとする防衛本能だったのかもしれない。

 さらに有田先生はこうもおっしゃった。

 涙が出続けてたら、泣き続けたらいい。抑えたら逆にストレスがたまっちゃう。

そういう訳なので、これからも泣きたくなった時は、思う存分泣かせていただこう。
 あぁ、ただうつ病の場合は、泣いていても脳が働いてしまうというか、自分を責めて責めてどんどん涙が増えてくるような気がする。その状態で泣き続ける事が病気にいいのかどうかは、また別問題かもしれない。注意されたし。

スポンサーサイト