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計画に縛られない
2008.10.12 Sun 19:10 | NHK教育 | テレビ・ラジオ
 NHKの番組「一期一会」 『計画に縛られない生き方の話』 を見て感じることがあったので、メモしておく。

 出演していたのは、計画を立てて人生を着実に歩んできたという大学院生、青柳美帆(24)さん。計画をしっかりたて着実にこなすことで、ここまで思い通りの人生を歩んできた自分に誇りをもつという。しかしその一方で、計画にとらわれすぎではないか、体に無理をしているのではないか、自分を追い込みすぎているのではないかと最近思うようになってきて、番組に応募したそうだ。
 まるで私のようだと思った。私も学生時代の試験前や、仕事の管理において、とにかく綿密にスケジュールを立てるタイプだった。旅行に行くのもそう。計画性のない人を見るだけで、イライラしてしまうような人間であった。

 番組が紹介したのは、全く正反対ともいえる、ヒッチハイクで旅をするフリーター桑原進一郎(20)さん。行きあたりばったりのヒッチハイクで、熊本から栃木まで来ていた。

 桑原さんは、青柳さんと1日過ごしてみて、青柳さんに対する感想を次のように伝えた。

 自分自身と話しすぎなんじゃないかなと思った。

私は、この言葉にものすごくドキっとした。私に関して言えば、図星だからだ。それのどこが悪いの?と思う一方で、痛いところを突かれたと思った。桑原さんは続けた。

 心の中で何か引っかかる事があったりしたら、まず人に話す前に自分自身と話すじゃん。自分の中で二人の自分がいるとしたら、すごい葛藤があってさ。それって一番疲れない?
 何をするより、自分と話すことが俺はすごいシンドイからさ。俺が人任せなのかもしれんけど、(人の)声を聞いたほうがやっぱ楽しい。

 
 話を聞けばこの桑原さん、ただの無計画な風来坊ではなかった。ヒッチハイクを始めた本当のきっかけは、両親が離婚し、リストラにあったり人に騙されたりして自暴自棄になり、生きていく事が辛くなり、とにかく一人でどこか遠くに行きたいという、投げやりな気持ちからだったという。
 ところが、旅先で実際に触れ合う見知らぬ人々は、みんな優しかったそうだ。

 優しさに俺は救われている。それで生きていける。死に場所を探しに旅に出たけど、もう全部が敵と思ってたけど、実は全部味方だったんだ。


 ここで学んだのは、決して 『ヒッチハイクのすすめ』 という事ではない。ただ、『心を開いて、他人の声を聞いてみよう』 そんな事を教わったような気がしたのだ。
 最初は嫌がっていた青柳さんも 『これからもヒッチハイクをすることは私はないんですけど』 と笑いながら断った上で、『桑原さんのような大らかな人間に接する事で、自分も寛大になれる気がする』 と、この旅の成果を語っていた。寛大かあ。青柳さんは、薄々”自分に厳しすぎる”という自覚があるのだろう。きっと過去の私も、自分に厳しすぎたのだろう。もっと色んな人に触れて、受け入れて、自分にも”寛大”になれればよかったなと、今さらながら自省した。

 どうか青柳さんには、計画に押しつぶされて体を壊すことのないように、心に”遊び”を持ってこれからの人生を豊かに過ごしてほしい。

#そういう私は今週と来週のスケジュールがぎっしりだ・・・。気が重い。

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