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反省
2007.08.23 Thu 00:16 | エッセイ | 小説・文学
 少し時間を置いて冷静に考えることができたので、先ほどの記事を反省しておく。

 特にキリスト教信者という訳ではないが、中学の頃に習った「聖書」の一節を思い出したので引用したい。これはイエス・キリストが、自分を十字架に張り付けにした人々のために祈った、最期の言葉である。

父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。
(ルカによる福音書23章34節)

 10代の頃、初めてこの言葉を聞いた時、なんて便利な考え方だろうと思った。私を理解してくれない人全てにむかって、この言葉を唱えてやろうと思った。「どうせ何にもわかってないおバカさんでしょ。許してさしあげてもよくってよ。」そんな気持ちだった。そう、上から見下してやろうと思ったのだ。

 だがこれは本当に思い上がりだったと、今でこそ思う。
 そもそも、この言葉は、私に言っているのではない。「父」=神である。イエスは神に許しを請うているのである。許すとか許さないとか、そんな権限は、罪深いこの私にはハナからないのである。
 そして「彼ら」=これこそが私なのである。自分が無意識に犯している罪の数々に気づかないまま、他人を恨み裁こうとしている、偉そうな私のことなのである。

 また別の観点から見ると、自分を殺そうとしている人のために祈るというこの話は、世の中にはなかなか理解されない理不尽な事があること、そして理解されない時にどうするべきかを私に教えているように思う。理解されないことを怒るのではなく、理解されるように最後まで努力し愛し続けた人がいたとわかれば、あぁ1人ではないんだと勇気が沸いてくるような気がするのである。

 重ねて言うが、私はキリスト教信者ではない。けれども「聖書」は世界一のベストセラーである。これだけ読まれ続けるからには、何かの理由があると思う。深く深く悩んだとき、有名な一説を拾い上げて意味を一生懸命考えると、心が救われる時があるのだ。

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