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生き残りの条件≠強さ
 「爆笑問題のニッポンの教養」の今日のテーマは「生き残りの条件≠強さ」であった。
 静岡大学の吉村仁先生は、「素数ゼミ」の大発生の謎を解明をした数理生態学の先生だ。「素数ゼミ」は北米にのみ生息し、土の中で17年過ごした後、成虫となるセミ。そういえば今年の6月頃、17年ぶりに60億匹ものセミが土の中から出てきたニュースをやっていたなぁと思い出した。

 セミが子孫を残すためには、メスとオスが一緒に土の中から出てこなくてはいけない。セミにもいろいろな種類がいて、10年周期のものもいれば20年周期のものもいる。違う周期のセミ同士が混ざってしまうと、その次の子供の周期も2通りに分かれてしまう。そうなると、次に土から出てきた子供は同じ周期の相手が少ないので、また他の周期のセミと混ざってしまう。
 その中にたまたま17年周期のセミがいた。17は素数である。素数とは1と自分でしか割り切れない数のこと。彼らは土から出てくる周期が素数であるがために他の周期の虫となかなか交じり合わず、次第に同じ周期を保つ子孫を多く残すことになり、その繰り返しによって今日の大量発生を生んだのだそうだ。
 進化って強い種だけが残ると思っていたのに、生命力とか環境とかと全く関係なく、たまたま周期が「素数」というだけで有利だったなんてびっくりした。生物に数字が出てくる事自体、何ともいえない驚きであった。

 進化が全部最適なのか、というとそうではないと吉村先生は言う。例えばオスのクジャクは、鳥として動きにくい派手な尾を持っている。あれはメスの気を引くために、勝手に進化した副産物であり、逆にその尾の大きさゆえに動きにくくなり、美しさゆえに人間に乱獲され、絶滅に追い込まれそうなほどである。
 進化は最適化できない。それは、環境によっていろいろ変わるからだ。逆に、ある環境に一番最適ということは、絶滅と隣り合わせということなのである。
 今の人間だって転げ落ちる寸前かもしれない。例えば人間はその進化によって繁栄し、すでに地球環境を不利な方へと変えてきてしまった。これまでの生物の歴史を見ても、進化の過程で増えすぎて環境を変えてしまい、結局絶滅した生物はいると言う。
 人間は変えてしまった環境を元に戻すことはできるのだろうか?それとも環境の変化よりも速く、自分達を変えることはできるのだろうか?

 ちなみに吉村先生は、小さい頃いじめられて泣いて、すぐ忘れて、自分のやりたい事をやっていたそうだ。それが虫。そういう性質だったから、小学生の頃から進む道を決めていたと言う。生物はみな、自分の居心地のいい場所を探して、自分の居場所を決めるのだと。

不可思議な進化の果てに、それぞれの居場所がある

私の居場所はどこなんだろう。まだ迷子。

 最後に太田さんが「我々子供がいないんですよ、どうしましょう」と言った。すると吉村先生が言った。「僕らは生物学の世界ではダーウィンの子供なんです。爆笑問題の太田光の子供が全国にいるじゃない?」
 ぐりえの子供もどこかにいるかな・・・・

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