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ネットカフェ難民
2007.11.24 Sat 17:37 | ドキュメンタリー | テレビ・ラジオ
 昨日の深夜「ネットカフェ難民 見えないホームレス急増の背景」というドキュメンタリー番組をやっていたので、録画して見たのだが、それはそれは悲惨な話だった。

 低所得層をターゲットにするビジネスは『貧困ビジネス』と呼ばれている。敷金も礼金も一切不要と、悪条件で物件の「鍵」だけを貸すゼロゼロ物件。担保も保証人も不要と、高い金利で金を貸し付ける消費者金融。簡単に利用できるといって、所得の低い人たちをターゲットにするこうした『貧困ビジネス』はあちこちに存在し、悪徳業者に騙されてネットカフェ生活へ転落させられる人も多い。

 生活困窮者の支援活動をしているNPO法人「もやい」の事務局長、湯浅誠氏は語る。

低所得者向けのサービスのように見えて、実は支援とは似て非なるもので、もっとその状態を悪化させる結果にしか至らない。儲けているのは結果的には会社だけ。単なる食い物にしているということ。

 さらに、多くのネットカフェ難民の収入源である「日雇い派遣」にも問題は多い。仕事が毎日あるとは限らない。収入の保障もない。そして二重派遣、建築業(違法)への派遣、不当なピンハネ。そこには数々の違法性が存在しているが、少しでも収入が欲しい労働者たちは、日々の生活のために黙々と働いている。派遣大手のグッドウィルやフルキャストでさえ問題は大アリだ。

 前述の湯浅氏は言う。

 日雇い派遣で働いていても、実際の収入は生活保護未満という人が圧倒的で、生活を立て直すための仕組みは、日本中見回してみても生活保護制度しかない。生活保護が増えすぎてよろしくないという意見はあるが、ではこれを減らすためにはどうするか。それは生活保護の間口を狭めることではない。そんな事をしたら生活保護も受けられないで死んでいく人が増えるのは目に見えている。
 問題は生活保護を受けられなくても生きていける社会にしないといけないという事だ。そのためには労働のセーフティネットと社会保障のセーフティネットをもう一回きちんと張る必要がある。そのための行政責任は大きい。

 もう1年ちかくネットカフェ難民を続けているヒトミさん(18歳)は、家族から虐待を受け続け、中学卒業とともに逃げるように家を出たそうだ。保証人もいない彼女ができる仕事は、やはり日雇い派遣。そんな生活を続けるうちに、精神が不安定になっているのを自覚しているという。
 虐待されて育ったという彼女の心の傷は計り知れないだろう。今は気が張っていて気が付かないだけなのかもしれないが、すごくすごく孤独なはずなのだ。それなのに居場所がないなんてもんじゃない。本当に寝る場所すらないのだ。そんな彼女が手帳に書きつけていた言葉をみて、私は涙が止まらなかった。

強くなる。責任感を持つ。我慢する。

「いろんな事に対して欲を出さないように。こうして書いてあげる事で、自分の気持ちがこれ以上落ちないように言い聞かせているんです。」と、彼女は悲しそうに笑った。頑張りすぎないで・・・

 彼女に比べたら、私はなんと恵まれているのだろうと恥ずかしくなった。私のうつ病なんて単なる「贅沢病」だ。私も彼女のような人たちの力になりたいと思ったが、何をすれば力になれるのだろうか。NPO法人ってなんだろうと調べてみたら、基本的に寄付によって活動するボランティアのようだ。まともに動けない私にできること、本当に恥ずかしいがまずはサポーターとして「資金カンパ」から始めようと思った。(NPO法人「もやい」のページはこちら

 ネットカフェでこのページを見ている人たちいますか。頑張って下さいとか無責任な事なんて言えないが、絶対に自分を責めないで欲しい。社会の仕組みがちょっとひずんでるだけだ。その狭間にちょっとだけ落ちてしまっただけだ。そして決して一人で悩まないで、NPO法人など信頼できる団体に相談して欲しい。生活を立て直すために生活保護をもらうのもいいじゃない?使える制度は、全部使っていいじゃない?六本木や渋谷にノウノウと社長室を構えている会社の食い物にならないで欲しい。みんなで助け合って生きて行こう。

※日テレノンフィクション第1弾として2007年12月下旬に出版化されるそうです。
ネットカフェ難民と貧困ニッポン (日テレノンフィクション 1)

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