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枯れないように
2007.11.29 Thu 00:01 | エッセイ | 小説・文学
 8年ほど前、ネットを始めてしばらくたった私は、初めての自分のホームページを作ってみた。そこには、詩のようなものを書きためていた。まだ体調もよく、仕事も順調で、全体的にやわらかい感じの文章だったように思う。
 その中で、一番気に入っていた詩がある。もう元データが消えてしまったのだが、今でも何を書いたか覚えている。確かこんな感じの詩だった。

みどり

長い旅に出かける私は
母に観葉植物を預けることにした

一人暮らしの相棒だった観葉植物
水のやり過ぎでもう枯れかけていたので
半分捨てるような気持ちだった

「枯れたら捨てちゃってもいいからね」

2週間後 旅から戻った私は驚いた
母の手には
見違えるように活き活きと葉を伸ばしている
あの枯れかけていた観葉植物があった

「枯らさないように一生懸命頑張ったんだから」
母はケラケラと笑いながら
少し誇らしげに言った

思い出した
私はこの人の大きな愛情に包まれて育ったんだった

私も時々 帰っていいですか
すっかり枯れ果ててしまう前に

 あの頃は、今みたいに母娘の関係で悩んだことは無かったのかもしれない。この詩を思い出すと同時によみがえる感情は、普通に母に甘えたい気持ち、そして母への感謝の気持ちだと思う。どうして突然、最近になって「アダルトチルドレンかも」とか悩みだしたのだろう。うつ病だからそう思うのか、そう思うからうつ病なのか。

 8年前の私から、今の私に送ります。藍坊主の「瞼の裏には」

瞼の裏には Music & Lylic by 藤森真一

枯れないように枯れないように 君がくれた想いに水を与え続けた
両手広げ飛び跳ねても 覆いつくせないほどの大きい喜びに
ある日君のくれた想いは 花朽ちて葉が落ちて知らぬ間に枯れていた
それは水が足りないから? それともたくさんあげすぎてしまったから?

あの日僕のせいで悲しむ両目から 全部流れて枯れてしまったの?

君の怒ったそのそぶりも 君の笑ったその顔も
僕の何もない手が何もない手に そっと触れたことも
思い出しては口ずさむよ 君が歌ったあの歌を
うれしい時にだけ口ずさんでいた 君の声が聴きたくて

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