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キレイ事だけど
2007.11.30 Fri 07:59 | エッセイ | 小説・文学
 先日のNHKスペシャルでやっていた「にっぽん家族の肖像第6集 僕の家族~里親・里子の12年~」が良かった。

 施設の職員として働く井口さんという女性が、知的な障害のある子を里子として迎え入れたのは、その子が9歳の時だった。自分の担当の子ではなかったが、身よりがなく寂しそうにしているのを見かねて、いつも抱きしめてあげていたのだそうだ。
 その子ももう21歳の青年だ。ニコーッと笑う笑顔がとてもチャーミングな青年だ。寂しかったから、愛してもらいたかったから、こんなにかわいい顔で笑うようになったのかなとさえ思う。そんな彼は井口さんを、そして井口さんの家族や親戚達を変えていった。彼がいなければ気が付かなかったこと、できなかったことがたくさんあると言う。みんな心から彼を愛している。
 今でも青年の心には、寂しかった頃の心の影があるようだ。だからこそ、井口さんが大好きで、井口さんの家族が大好きなのだ。そして夫を亡くした井口さんにとっては、今となっては逆に彼の方が、立派に頼れる「息子」だ。すごくいい親子関係に見えた。

 私も、困っている人の助けになれるような事をしたいのだ。こんな私にも何かできることはないのかなと、最近いつも思っている。福祉に関わる仕事をしたいなとか、手始めにボランティアとか・・・。でもそんな夢を母に言うと、本当か嘘かわからないが「その前にやることがあるでしょう?」「実の親の面倒を見るのが先じゃないの?」と、言われる。キレイ事じゃすまないのよ、と現実の厳しさの話をトクトクと聞かされる。そして私が初めて語った『自分の意思』はしぼんでゆく。

 でも気持ちがおさまらないので、とは言え母が怖くて行動できないので、もうお金で解決させてもらっている。そういう訳で最近は、テレビやネットで見て感動した団体には、たまに突然寄付をしている。本当に金額が少なすぎて寄付なんていうのもおこがましいのだが、何もしないより何かの助けになればいいなと、貯めていた貯金から少しずつ。いやホントに、実際にお手伝いできなくて、「キレイ事」で済ませて申し訳ない思いでいっぱいだ。偽善と思われても仕方がない。

 Mr.Childrenの「タガタメ」。この歌詞は、レコーディング当日の朝、ニュースで『またしてもやりきれない事件』を『胸がしめつけられる思いで』見た桜井和寿さんが、スタジオで急遽書き下ろしたものだそうだ。


タガタメ  Music & Lylic by 桜井和寿 (一部抜粋)

子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に 加害者になったとき
出来ることと言えば 涙を流し 瞼を腫らし
祈るほかにないのか?

 :

かろうじて出来ることは 相変わらず 性懲りもなく
愛すこと以外にない

遠くからでも祈っているよ。愛しているよ。


※ちなみに自分が共感した団体にしか寄付はしません。私もそんなに金銭的余裕があるわけではありません。寄付要求的なものはお断りしますのであしからず。

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