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体内時計
 今日の「爆笑問題のニッポンの教養」は、「『体内時計』は いま 何時?」というテーマであった。訪ねたのは、理化学研究所システムバイオロジー研究チーム。リーダーの上田泰己先生は、現在32歳という若さで、生物が持つ「体内時計」の研究で世界をリードするエリートだ。

 私も、うつ病による睡眠障害に悩んでいた関係で、体内時計については、「ためしてガッテン」など数々の情報番組で少しの知識を持っているのだが、改めて興味を持ってお話を聞いた。
 体の中で1日のリズムを刻んでいる時計細胞は、胃、腸、皮膚、脳、心臓・・・、体全身のありとあらゆるところにそれぞれある。そしてそれらは少しずつズレているので、脳の中にある「視交叉上核」という基準時計と通信を行うことで、日々時刻を合わせているのだそうだ。
 地球の自転は約24時間で一回転することで、昼夜のリズムを生み出している。そして人間は、朝の光をあびることで体内時計を日々リセットし、地球とシンクロするのだ。
 逆に、真夜中に強い光を浴びると体内時計が狂ってしまい、睡眠障害を引き起こすと言われている。上田先生が研究により発見したのは、これは基準時計が狂っているのでも止まっているのでもなく、体中の体内時計がバラバラになってしまっている現象なのだという事だそうだ。脳が認識しないところで独自の時計が動いているなんて、なんとも不思議だ。

 さらに人間は別のリズムにも支配されている。それは社会のリズムである。人間の時計細胞は遺伝子情報を持つ。すなわち、人それぞれ少しずつ異なっているはずなのだ。しかし社会の時計は一律であり、リズムがない。個性も季節もない。社会人として生きていくためには、社会のリズムに合わせていかないといけない。

社会の時間と自分の時間がずれているところに、人間の不幸があるかもしれない。

と、上田先生は言う。それを解消するためには、自分の時間を知ることだという。人間は自分を知ることによって冷静になり、少しずつ調節が可能な生き物だ。だからこそ、先生は生命の研究を続けているのかもしれない。

 本筋とはあまり関係ないのだが、「変化って楽しい」という話で、太田さんと上田先生が盛り上がっていた時に、なぜか「みつばちマーヤの冒険」の話が出てきた。マーヤは蝶がとても楽しそうに飛んでいるのを見て、羨ましく思う。芋虫からサナギになり今の姿になった蝶は、一回変化した事があるから、その経験によって『未来はとても面白い』という確信が持てるようになったのではないかという話だった。
 なんか素敵な話だと思った。今の私は全くの逆だ。生まれてから良い方に大変身したことがない。やって当たり前、出来て当たり前という生き方をしてきた。そして一回大きな挫折を経験して、『また失敗してしまう』『未来はとても暗い』という確信しか持てなくなってしまっている。蝶が羨ましい。

 太田さんに「安定してそうに見える」と言われた上田先生が、この話の途中で言っておられた事には、

安定って変わりながらいく事だと思う。時計はある意味、単位内の中でずっと変わっている。だがそれを繰り返すことで、変わることが安定になる。そういうところって生物らしいと思う。変化と安定は、一見わかれているようだが実は同じ事。止まっているように見えるが動いている。

少々哲学的な感じもする。「変化」と「安定」は表裏一体?
 私は「超」が付くほど安定志向である。でもこのお話を聞いて、変化も定期的に繰り返していけば、それが安定と思えるようになるのかなと思った。今は落ち込んでいるが、また上昇するときもあるのだろうか。そしてその周期を自分で知ることで、冷静になり、調整できるようになるのだろうか。そんなに強くなれるかな。

 もっと難しい生命科学のお話もしていたが、以下省略。以上。

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