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楽園から出られるか
 たぶん、私が思っているほど、周囲の人は誰も私の事なんて気にしていない。むしろ見ていない。逆に私が誰かに見て欲しくて、気を引くような行動をとればとるほど、普通の人はみな怪訝な顔をして遠ざかっていく。事実、本当の私を知って、多くの友人が「めんどくさい。」と次第に離れていった。

 そして結局、感受性が強い人、同じような考え方、同じような境遇の人だけが残り、次第に集まるようになってくる気がする。似たような心の傷をなめあって癒しあって、誰にも邪魔されず、傷つくこともない楽園を作るのだ。
 だがこれは、たびたび私がこのブログで気にしている『集団的偏向現象』となる危険性はないのだろうか。そんなぬるま湯の環境にいたら、ますます外界に対して弱い人間になってしまうのではないだろうか。

集団偏向現象(Group Polarization)
もともと同じような考え方を持っている人をある一所に集めて、他の情報から遮断してしまい、同じような考え方の人の間だけでどんどん話をすると、当初もっていた傾向がどんどん過激化していく現象。

一生隔離されて楽園で生きていくのなら、それもいい。だが、いつかはまた、世間の荒波の中に飛び出していかなければならない日がくるだろう。
 それを考えると、嫌なことから極力逃げている今の状態は、果たしていいことなのか。頭の片隅では、冷静にそんな事を考えている私がいる。

 うつ病患者への家族の接し方。よく言われるのは、理解する、励まさない、責めない、話は相槌で聞く、暖かく包み込んで見守る・・・。これらは、元気な子供にやったら、ただの甘やかしばかりだ。私はこんな暖かい扱いを受ける資格があるのか。本当に病気なのか、やる気の問題なのか、逃げているだけなのか、甘えているだけなのか、自分でもわかりかねる。私の身内や周りの人間は、さぞかし私を扱いあぐねていることと思う。

 実際、何か辛いことがあるとすぐに泣き、「死にたい」ともらし、能面のように無表情な顔をして昼間から寝込み、それで許されると思っている私がいる。それで許されている私がいる。どうしてみんなこんなに優しいんだろう。たぶんみんな、上に書いたような接し方の情報をインターネットあたりで手に入れて、私の事を好きなようにさせてくれているのだ。こんなにサボってていいの?こんなに甘えてていいの?私は余計に自分を責めてしまう。

 だけどやっぱり、私の足には鉄の鎖がついている。背中の羽根は折れている。食べたくもない。遊びたくもない。ただひたすら眠い。そんな私が今できるお返しは、死なずに毎日を生き抜くことだけ。それさえも面倒くさくて辛くて大変な事なのだけれど、他に何もできそうなことがない。

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