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私が愛したゴリラ(前)
 録画しておいた「爆笑問題のニッポンの教養」のFILE037:『私が愛したゴリラ(前編)』を見た。爆笑問題の2人が、ゴリラ研究の世界的権威である「ゴリラ先生」こと山極壽一教授(霊長類社会生態学)を訪ねる2回シリーズの前編であった。

 山極先生は言う。

 ゴリラの中にある人間性を見たい、あるいは人間の中にあるゴリラ性を見たい。
 なんでゴリラはヒトと遺伝的にこんなに近いのに、こんなに違って見えるのか。それは、ヒトが短い間にものすごく変わっちゃったから。

つまり、ヒトがゴリラと比較してどのような特徴を持っているかを調べることで、「ヒトがヒトである理由」が見えてくるというわけだ。

大人のゴリラは笑わない

 ヒトの最大の特徴は『笑うこと』であろう。
 ところが実はゴリラでも、意外なことに子供ゴリラは笑うのだそうだ。腹を震わせてホッホッホと笑うのだ。ではなぜ大人のゴリラが笑わなくなるのかというと、山極先生いわく「遊ばなくなるから」。そしてまた、上下関係を常に表に出して付き合うゴリラにとって、”愛想笑い”をする必要がないからなのだそうだ。

”喜怒哀楽”といった感情を、お互いに共有しない

 ゴリラは笑ったり泣いたりしないのか?いや、喜怒哀楽はゴリラにもある。でもその表現がヒトとは違うだけのことだ。
 さらにヒトの世界では、笑いも涙も伝染する。しかしそれはゴリラだけでなく、他の動物にもないはずである。他の誰かになった気になれる”共感”という世界は、ヒトが独自に開発した世界なのだ。

ゴリラの赤ちゃんは泣かない

 ゴリラの赤ちゃんは、母親が1年間ぐらいずーっと抱いて決して離さない。だからゴリラの赤ちゃんが泣いて自己主張する必要がないのだそうだ。
 ヒトは母親がすぐ離してしまうので、他の人が抱く。すると、母親がすぐ近くにいないヒトの赤ちゃんは、自己主張のために泣く必要がある。裏を返していえば、ヒトの赤ちゃんは自分の母親だけではなく、他の人の手で育てられる生き物であることを表している。

ゴリラは指差しをしない

 ヒトの子供は、指を差すことで、母親や親しい人の注意をひいて一緒に見る事をしないと不安になる。すなわち、ヒトは自我を獲得していく過程で、他人の視線をつねに自分にとりこむようになる。
 しかしゴリラの子供は、他人の視線を自分にとりこむことをしない。あるいは他人の見ているものを見て、理解しようとはしない。自分は自分なのだ。


 こういう動物観察による自己探求は、とても面白いと思う。そして、知れば知るほどゴリラは自立していてカッコイイ。それに対してヒトは、その弱さのために知恵をつけたのだろうか。それとも知恵がついたから弱くなったのだろうか。コミュニティーを作ってその中でしか生きられない姿に進化(?)してしまった動物なのだということが、おぼろげに見えてくる。

 一体、ヒトってどんな生きものなのか?後編が楽しみである。

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