fc2ブログ
夢をかなえるゾウ
2008.05.31 Sat 09:15 | 自己啓発本 | 本・雑誌
 見るともなしについていた、朝のNHKニュース『おはよう日本』の中で、「“変わりたい” ~異色自己啓発本 人気の背景~」という特集をやっていた。
 今、「夢をかなえるゾウ」という自己啓発本が110万部のベストセラーになっているという。

ゾウの姿をした神様が会社員の「僕」に様々な課題を出し、目標達成に導くという内容だ。他の啓発本にない特徴は、“笑い”を取り入れた点。神様と僕が漫才のような会話を交わしながら話が進んでいく。
番組ホームページより)


 正直、私は”自己啓発”という言葉が好きではない。うつ病になって引きこもるまでの私は、今考えても、毎日を完璧に生きようとしていた。手抜きができない性格だった。友人たちとふざけていても、いつもその瞬間何をするのが最適なのか、考えながら行動していた。
 だから20歳を過ぎたいい大人が、得体の知れないセミナーや本に感化されて”自己啓発”と騒ぎ出すのを、冷ややかな目で見ることが多かった。毎日を真剣に生きていれば、突然そんな事を言い出す必要もないと思っていたからだ。

 この特集コーナーを見ていても、『本を読んで自分を変えようと取り組む人々』が何人か出てきていたが、ふーんと言う感想しか持たなかった。みんな前向きでいいなぁとしか思わなかった。
 むしろ、神聖な神様の象徴である”ゾウ”が、なぜ変な関西弁なのか、そんなところがひどく気になった。

 だが、最後にふと心に響くフレーズがあった。

「本気で変わろ思たら、意識を変えようとしたらあかん。意識やのうて「具体的な何か」を変えなあかん。具体的な何かをな」

これはまいった。私は痛いところをつかれた気がした。

 そう、本当はわかっている。私は自分で「自分を変えたい」と強く思ったことはない。だがそれは、現状に満足しているのではなく、ただ単に自分を取り巻く環境か何かの方に「変わってほしい」と、他力本願に思っているだけなのだ。そして、そんな願いがそうそう聞き届けられるはずもなく、勝手に人生に絶望しているだけなのだ。
 けれども、このフレーズを聞いて、だからといって無理に自分の”意識”を変える必要もないのかと思った。自分の心を形成する根っこの部分なんて、簡単に変えられるものではない。むしろ、まず物理的に何かをしてみることで、あとから自分の無意識の部分が自然に変化していくものなのかもしれない。そしてこれまでだって、知らず知らずのうちにそうやってきたからこそ、今の私があるのかもしれない。

 頭でっかちに考えるより、まずやってみる。やってみて、もし自分には不必要だとわかったら、やめればいい。
 今のうつ病の私には、体を動かしたり外に出たりすることは、とても大変なことだ。だが、このゾウが教えてくれる話の中で、ひとつだけ私にもできそうな事があった。

「これからはな、毎日寝る前に、自分がその日頑張れたこと思い出して「ようやったわ」ってホメや。そうやってな、頑張ったり成長することが「楽しい」ことなんや、て自分に教えたるんや」


Secret

TrackBackURL
→http://sweetacorn.blog108.fc2.com/tb.php/811-9d24f2ac