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片付けられない女
2008.05.31 Sat 14:57 | ドキュメンタリー | テレビ・ラジオ
 「R30」という番組のマンスリー企画『制御不能な私』。第一夜の『摂食障害』に続いて、第二夜は『片付けられない女』というテーマだった。

 部屋にあふれかえる物、足の踏み場もない床。こうした汚い空間で何一つ気にせず暮らすなど、日常生活においてある部分だけがズボラな女性がいま少なくないという。こうしたケースで最悪の場合、”注意欠陥障害”と診断されることもあるという。

注意欠陥障害
同じミスを繰り返すなどの軽度発達障害の一種。

 私も今回の話は、他人事ではない気がした。私の部屋も実に汚い。片付けることができない。というか、無視している。リビングやキッチンは、比較的片付けているほうだと思う。けれども自分の部屋だけ、どうしても片付ける気がおきないのだ。外に行くときに洋服を選びに入るだけ。むしろあまり見たくない。なんでだろうとか、考えたこともなかったが・・・。

 今回紹介された女性は、あとから検索してわかったことだが、ブログでも有名だったらしい”夏目”さんという30代のOLさんであった。
 夏目さんは、会社ではマーケティングなどの仕事をてきぱきとこなす女性であるが、父親と2人暮らしの4LDKのマンションで自分の部屋2部屋だけ荒れ放題だったという。放置することなんと10年間。昨年、夏目さんは一念発起して、10ヶ月かけてこの部屋を片付けたそうだ。ゴミの総量は、ゴミ袋112個分5040リットルにも及んだという。

 実は、夏目さんが部屋を片付けられないのには理由があった。この2部屋は亡くなったお母さんと、相次いでなくなったお姉さんが使っていた部屋だったのだそうだ。夏目さんは、汚い部屋に対する思いをこう話した。

まぁ汚いと言う自覚はあったけど、それがどうこうって掘り下げて考えることしなかったから。あとやっぱり、私は本当に自分の部屋に興味がなかったんですよね・・・全く。

つまり、悲しみを無理やり遠ざけるうちに、思い出がつまった部屋の事も意識しなくなった、意識の外に追いやってしまっていたのではないかという。

 そんな彼女に部屋を片付けさせるきっかけを与えたのは、お父さんの一言だったそうだ。二人の死から十数年がたったある日、お父さんは夏目さんに言ったという。

もうそろそろ、2人のいない2人っきりの暮らしに慣れないといけないね。

夏目さんは、お父さんの一言で、初めてその目で現実を見ることを決めた。『母も姉ももういない。』そんなわかりきったことにようやく気がついたそうだ。ようやく受け入れられたそうだ。
 コーナーはこういう言葉でしめくくられていた。

女たちが片付けられないもの。ひょっとするとそれは、自分の部屋だけではないのかもしれない。


 私は、自分の部屋が汚い理由も、なんとなくわかった気がした。社会人としてバリバリ働いていたときの荷物が、そのまま残っている部屋。スリムな自分のスーツがたくさん残っている部屋。その部屋に積み重なった荷物を直視できない今の自分。
 自分の現実と向き合ったときに、初めて古い思い出を捨てることができるのだろう。部屋を片付けることができるのだろう。いつになることだろう。

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