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同情はするな
2008.06.22 Sun 10:57 | エッセイ | 小説・文学
 日曜日の朝は、今週一週間におこったニュースについて語り合う情報番組が多い。
 私はどうしても、秋葉原殺傷事件、宮崎勤死刑囚の死刑執行、自殺者が10年連続30,000人を超えたこと・・・こんなニュースが気になってしまう。そしてそれに対するコメンテーターの意見の、無責任なこと。

 自殺と、社会に対する憎しみからの無差別殺人は、ある意味紙一重の行為だと思う。壊してしまいたい、消してしまいたい、何もかもなくなってしまえという衝動が、自分へ向かうのか他者へ向かうのかという違いだと思う。それは、感情がコントロールできなくなったときに、「オチ」てリストカットをしてしまう人と、「キレ」て周囲に当り散らす人がいるのと、同じ事だと思う。

 こうした事件について「他の人を殺すぐらいなら、勝手に自殺でもしろ」などと昔から言い続けているのは、テリー伊藤さんだっただろうか。この人はもともと、楽しければなんでもアリだと思っているところがある。本当に社会からはじかれ何の役にも立っていないと思いこんでいる若者など、死んでしまえばいいのだろうか。それですむのだろうか。死にたいヤツは勝手に死ね、それでいいのだろうか。
 その考え方をつきつめると、社会の役に立たない障害者も、私も、周りに迷惑をかけるぐらいなら死んでしまえ・・・そんな風に言われているように感じてしまう。精神が健全でお金を持っている人の考え方なんて、所詮そんなものなのかなと悲しくなる。

 先月だっただろうか。ダウンタウンの松本人志さんが、硫化水素自殺で問題発言をしたと、ニュースに流れたことがあった。『アホが死んだら別に俺はええねん』という”放言”だけが一人歩きしていたが、私は詳細をこのブログに書いて批判しようと思いたち、YouTubeで検索して放送を聴いてみた。
 前後を通して松本さんの発言を聴いた私は、不覚にも泣いた。



松本人志の放送室(2007年11月4日、抜粋)
 僕ほんま腹立つのは、一番悪いのは自殺することですよ。これを誰も言わないんですよ。もうみんなが『かわいそうかわいそう』ってやるじゃないですか。こんな報道の仕方してたら、自殺減らないですよ。『みんな味方してくれる』と思うもん。『僕が死んだら、みんなが味方してくれんねや』と思たら、自殺するやつどんどん増えますて。
 なんだかんだ言いながら、『自殺するヤツはアホや!』って誰か言わんと。いじめられて死んだ子の気持ちもわかる。でも一番罪深いのは自殺なんですよ。『それをやることは一番あかんのや!』って言わんと。社会が悪い、学校が悪い、いじめたやつが悪い、もちろん悪いですよ。でも言うじゃないですか。『一番罪深いのは親より先に死ぬことや』って。『自殺するヤツはバカなんや!』って言わなあかんねんて。

松本人志の放送室(2008年5月10日、抜粋)
 自殺も流行ってるでしょ。なんやあれ、硫化水素や。(ニュースで)やらんでええねん。ニュースがおもろがっとんねん。『今日は何件あった』とかやってるわけや。
 自殺なんて報道すればするだけ、あいつら寂しいヤツらやから、『俺も死のう』なんて思うヤツがいっぱいでてくんねん。あかんねんあれは。あれは煽ってるだけ。『こんなんで死んだやついっぱいおんねや』、『おもしろいもんなんもないし俺も死のう』みたいに思うヤツがいっぱい出てくるから。
 ある意味ね、ちょうどええ時期にアホが死んだら別に俺はええねんけど、でもね、これ以上増えないためにもやらんでええねんて。ヒント与える必要ない。(自殺っていう)選択肢を一個与えてるだけや。

私はこの文脈における、問題の箇所『アホが死んだら別に俺はええねん』は、まったく気にならなかった。むしろ自然に涙が出てきてしまったのは、本気で叱ってくれているような気がしたからだろうか。この人は痛みをわかってくれて、それでも生きろと言ってくれていると思ってしまったからだろうか。

 自殺するなんてアホだ。無差別殺人もアホだ。そんな事をしても、誰も同情なんてしないんだぞ!

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